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Vol. 62 No. 4(通巻362号)記事一覧

総説

分子夾雑系理解に向けたシミュレーション手法の開発と応用
栗﨑 以久男,田中 成典

近年,分子夾雑環境下での生体分子の挙動に関心が集まっている.本稿では,ATPの持つ第二の役割,タンパク質凝集体に対する溶解効果の微視的メカニズム解明を端緒として行った研究と,その深化のために開発した生化学反応およびタンパク質多量体複合体解離過程の実効的シミュレーション手法について紹介する.

生体分子機能を有する新物質への有機合成化学によるアプローチ
佐藤 浩平,金原 数

膜貫通タンパク質の構造を模倣した分子として,親水性ユニットと疎水性ユニットを交互に連結したマルチブロック型オリゴマー分子を設計し,これらの分子が二分子膜中でイオンチャネルを形成することを見いだした.さらに,張力応答性,リガンド応答性,電位応答性など,多様な刺激応答性を付与できることを明らかにした.

速度論的・熱力学的解析によるタンパク質凝集・アミロイド線維化機構の解明
水口(深瀬) 智晴,扇田 隆司,斎藤 博幸

アミロイドーシス変異アポA-I やパーキンソン病αシヌクレインのアミロイド線維化反応に対して,核形成―自己触媒線維伸長モデルに基づく速度論的解析ならびに核形成と線維伸長速度定数の温度変動解析を行うことで,これらアミロイドタンパク質の凝集・線維化過程の熱力学的特性を明らかにした著者らの研究を紹介する.

哺乳類の概日時計中枢におけるカルシウムリズム
榎木 亮介

哺乳類の概日時計の中枢は,脳深部の視交叉上核に局在し,約2万個の神経細胞が全身の生理機能の約24 時間リズムを制御する.本稿では,視交叉上核の神経回路および単一神経細胞での概日Ca2+リズムの光イメージング研究を中心に,研究の過程で偶然見いだした概日膜電位リズムやウルトラディアンCa2+リズムについて紹介する.

トピックス

クマムシの乾燥耐性の仕組み~水分消失に伴うタンパク質の繊維化~
矢木 真穂,加藤 晃一

クマムシは,水分を失うと乾眠と呼ばれる状態に移行して生命活動を一時停止し,極限環境耐性を獲得する.最近の研究により,クマムシの細胞内に豊富に存在するタンパク質が,水分消失に伴って繊維状の集合体を自発的に形成することで,すぐさま脱水状況に対応できる仕組みを兼ね備えていることを見出した.

ベイズ的アプローチによる高速原子間力顕微鏡データと分子シミュレーションの融合
渕上 壮太郎

データ同化では,ベイズ統計学に基づいて観測データとシミュレーションを融合させることで,観測対象の詳細を推定することができる.このデータ同化手法の1つである粒子フィルタを高速原子間力顕微鏡データと分子シミュレーションに適用するためのプロトコルを開発し,観測不可能な特性が推定できるかどうかを検証した.

光によるシナプス可塑性制御で明らかになった記憶固定化機構
後藤 明弘,林 康紀

記憶はまず海馬で形成された後,脳の他領域に移行する.この時シナプス長期増強現象(LTP)が起こると考えられるが,いつどこで起こるかは明らかではない.そこで光にてLTPを解除する手法を確立し,海馬では学習時にだけではなく,同日の睡眠中にも起こること,大脳皮質では次の日の睡眠中にLTPが起こることを示した.

理論/実験 技術

有機硫黄化合物を測定対象とする無磁場固体核磁気共鳴(NMR)法の応用
山田 和彦

硫黄原子が関与する様々な分子メカニズムの解明に威力を発揮する新規分析手法として期待されている無磁場固体33S核磁気共鳴(NMR)法について,技術的背景や測定事例,また,装置の概要を交えて概説する.本手法を使用することで,共有結合性を示す硫黄の詳細な電子情報を得ることや局所的立体構造解析が可能になる.

細胞発生力顕微鏡:画像から細胞の力学を予測する
出口 真次,李 泓翰,松永 大樹,松井 翼

細胞発生力顕微鏡は,細胞の明視野画像を得ることにより,その細胞が発生する力(traction force)を定量的に予測することができる.本技術は,従来のtraction force測定法に比べて圧倒的に高いスループットを実現しているが故に,定量化の難しいメカノバイオロジー研究において新しい展開を拓きうる.

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