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【Vol. 61 No. 3(通巻355号)記事一覧】

◆巻頭言
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余はいかにして生物物理学徒となりしか
瀬藤 光利

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◆解説
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粗視化生体分子シミュレーション法
高田 彰二

細胞スケールの構造モデリングに向けて,生体分子のマルチスケールシミュレーションが注目される.本稿は粗視化生体分子シミュレーション法を解説する.粗視化の概念,統計物理的基礎を述べた後,蛋白質,核酸,リン脂質の粗視化モデルの例を紹介する.また,粗視化による計算高速化の3つの要因を議論する.



細胞スケール不均一弾性場における細胞形状と運動のダイナミクス
江端 宏之,木戸秋 悟

細胞は特定の弾性勾配条件下で硬領域指向性運動(Durotaxis)を示すが,細胞スケールの不均一な弾性場でのDurotaxisの駆動条件は不明であった.本稿では,弾性勾配条件だけでなく,細胞の形状ダイナミクスと,弾性場の不均一構造との相互作用がDurotaxis制御の本質であることを示す.



ミトコンドリアのカルシウムイオンチャネル(カルシウムユニポーター)のCa2+取り込み制御機構
山本 武範,山田 安希子,篠原 康雄,渡辺 朗

ミトコンドリアはカルシウム貯蔵庫として働くことで,様々な生理機能や病態に関わる.近年,ミトコンドリアへのカルシウムイオンの取り込みを担うイオンチャネル(カルシウムユニポーター)の構成分子群が明らかにされた.急速に展開している,カルシウムイオン取り込みの分子機構に関する研究の最新動向を紹介する.



ナノ秒パルス高電界:生体作用機序と応用の可能性
矢野 憲一

ナノ秒オーダーのきわめて短い時間に限局して強い電気的な作用をもたらす手法であるナノ秒パルス高電界は,処理強度依存的に異なる細胞応答を引き起こすことができる.本総説では,ナノ秒パルス高電界に対する細胞の応答反応,癌治療への利用,細胞の機能制御のための新しい物理的刺激としての可能性について紹介する.



生きた細胞内に人工のハイドロゲル凝縮体をつくる合成生物学技術iPOLYMER
中村 秀樹

細胞内では,多様な分子が集合・離散することで機能的コンパートメントが形成され,その重要な機構として相転移・相分離が提唱されている.本稿では,生きた細胞内でペプチド鎖のゾル―ゲル相転移を自在に操作し,人工のRNA顆粒を「つくる」合成生物学ツール,iPOLYMERの概要とその背景,今後の展望を述べる.



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◆トピックス
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哺乳類細胞における転写バーストの網羅解析:遺伝子発現量の細胞間多様性の理解に向けて
落合 博

哺乳類細胞では,同一細胞種であっても細胞間で遺伝子発現量に有意に差が認められる.転写バースト現象によってこの多様性が誘引されると示唆されていたが,その詳細は不明であった.本稿では,著者らが,哺乳類細胞において網羅的に転写バーストの性質を解析し,その調節機構の一端を解明したことについて紹介する.



In silico実験による代謝性骨疾患と薬物治療の探究
亀尾 佳貴, 安達 泰治

生体の恒常性維持に不可欠な生命システムは,無数の細胞を介した複雑な細胞間シグナル伝達により制御されており,その振舞を予測することは困難である.本稿では,大自由度の複雑なシステムの振舞をありのままに解析することを可能にする「in silico実験」を紹介し,骨代謝系を例に,その有用性と今後の可能性について解説する.



機械学習を用いたタンパク質デザイン
梅津 光央,齋藤 裕,亀田 倫史,津田 宏治

アミノ酸配列が表現する配列空間から目的解を発掘できるか?タンパク質の情報化とライブラリー技術の発展は,確実にその確率を向上させてはいるが,未だ満足のいくものではない.本稿では,配列空間における進化分子工学の探索操作において,人工知能の一つである機械学習が道先案内人になり得る可能性を紹介する.



鉄硫黄クラスター生合成系の硫黄供給酵素群:共通構造と機能分化・多様性
藤城 貴史,中村 亮裕,髙橋 康弘

鉄硫黄クラスターは,多くの重要な生命活動に必須の無機補因子として,鉄と無機硫黄から生合成されている.これまで3種の異なる生合成系が知られており,どの生合成系でも,システイン脱硫酵素による無機硫黄の供給が重要となっている.本稿では,システイン脱硫酵素に関する最新の構造化学的な研究成果について紹介する.



MATEタンパク質の構造生物学
草木迫 司

あらゆる生物の細胞は,外界から侵入した様々な生体異物を細胞外へと排出して,細胞内の恒常性を維持している.膜を介した生体異物の排出を担う多剤排出輸送体のうち,本稿ではMATE(Multidrug And Toxic compound Extrusion)タンパク質に焦点を当て,その構造と輸送機構について筆者らの研究成果を含めた最新の知見を紹介する.



糖鎖クラスターとの結合によるアミロイドβの構造変化
多知 裕平,奥村 久士

アミロイドβはアルツハイマー病の原因物質として知られる天然変性タンパク質である.神経細胞膜内のGM1ガングリオシドクラスターはアミロイドβの病理学的な凝集体形成を促していることが分かってきた.本稿では,その初期過程であるアミロイドβとGM1糖鎖クラスターの相互作用に関する分子シミュレーション研究を解説する.



ステロイドホルモンの生合成に関与するシトクロムP450
藤山 敬介,日野 智也,永野 真吾

植物の成長ホルモン「ブラシノステロイド(BR)」の生合成における初発・律速段階を担うシトクロムP450の結晶構造と,この酵素による位置・立体選択的な水酸化メカニズムについて紹介する.また,一般的なP450には見られない活性種による,ステロイドホルモンなどの生合成反応メカニズムについても紹介する.



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◆トピックス(新進気鋭シリーズ)
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線虫 C. elegans を用いた異なる感覚情報の統合に関わる神経回路モデル
岡畑 美咲,久原 篤

動物は多数の環境情報を神経回路内で統合や区別することで,適切な応答を行うが,その機構については未知の点が残されている.本稿では,線虫 C. elegans の低温馴化を用いた解析から見つかってきた,温度と酸素という複数の情報を統合する神経回路の分子・生理的機構について紹介する.



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◆談話室
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リレーエッセイ:私が影響を受けた論文(9) 生物ゆらぎと情報
柳田 敏雄

キャリアデザイン談話室(5) 本気でするから何でも面白い
中井 孝尚

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支部だより ~東北支部の近況~
伴野 詢太

若手の会だより 第61回 生物物理 若手の会 夏の学校~関東支部主催~
秋山 健太郎

海外だより ~台湾新竹市から~
平松 弘嗣

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