BIOPHYSICS誌の新名称選定と現状について(ふたたび)

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2015年5月1日
BIOPHYSICS編集委員長 石渡信一

 3月16日付けで、「BIOPHYSICS誌の新名称選定と現状について」を学会ホームページの「重要なお知らせ欄」に掲載しました。そのときには、PubMed Central(PMC)への登録を機会に、ロシアのBiofizika(英語名:BIOPHYSICS)との競合をさけるため、BIOPHYSICSという名称をBiophysics Reportsに変更するとお知らせしました。PMCへの登録には幾つかのステップがあり、予定より少々遅れ気味ではありますが、順調に進んでおり、5月からBiophysics Reportsとして出発する予定でした。
 ところが、4月3日になって、シュプリンガー・ジャパン社から、中国生物物理学会がシュプリンガー中国支社を通じて同名のジャーナルを出版することになったと連絡をしてきました。その後4月13日に、中国生物物理学会からも同様の連絡がありました。これを受けて七田会長を中心に検討し、我々が一歩遅れをとったことから、この名称にこだわることなく、まったく新しい発想で、重複の心配のない新名称を早急に決めることといたしました。2月にはエルゼビア社から、Biochemistry and Biophysics Reports(BB Reports)というジャーナルを刊行するという連絡を受けたこともあって、「・・・Reports」というジャーナル名が、一種の流行になりかかっていることも、即座にこの決断をする引き金になりました。
 そこで、まずBIOPHYSICS編集委員会で検討し、幾つかの案を立てて理事会に提案したのですが、理事会で決定できなかったことから、新名称の決定はBIOPHYSICS新名称検討WGに委ねられました。
 その後、WGとして都合2回の電話会議を開き、Biophysics and Physicobiology、Biophysics Frontiers、Biophysical Scienceという3つの候補を選び、議論のすえ、最終的にWG委員6名による投票を行いました。その結果、Biophysics and Physicobiologyが5票、Biophysics Frontiersが1票だったことから、Biophysics and Physicobiologyを新名称として理事会に提案し、4月27日に理事会承認を得るところとなりました
 WGの電話会議では、Physicobiologyという新規な言葉の定義についていろいろな観点から議論を重ねました。そして、最終的にはこの言葉を採用する委員が多数となり、今回の提案になりました。この言葉の持つ意味については、英文の投稿規定の前文に簡潔に記載し、会員の皆様へ説明する予定です。現在、伊藤・由良副編集委員長を中心に立案しているところです。
 Physicobiologyという言葉の意味としては、次のようなことを考えています。物理学的研究手法と方法論(考え方)を拠りどころに、生命現象の仕組みを明らかにするという従来のBiophysicsに加えて、生命現象の制約となっている力や熱、電磁気などの眼に見えない物理的因子とそこに横たわる法則・原理が、いかにして生命現象で活用されているかを明らかにすることが、単なる物理学的生物学(Physical Biology)とは異なる新しい言葉の意味するところです。ただ、その内容を狭く限定することなく、Physicobiologyが、Biologyの工学・情報学への展開も目指した言葉として使われるようになってもいいのではと思っています。
 このような経緯であったことから、新名称へ移行する時期とそれに伴う投稿料の変更の時期は、前回お知らせした5月から2か月遅れ、7月を予定しています。PMCへの登録をへて、ハードルがもう一つ高いWeb of Scienceへの登録に向け、会員のみなさまがBiophysics and Physicobiologyに新しい息吹を吹き込まれることを、期待しています。