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2013年10月31日 掲載 (Published 10/31/2013)


バイオインフォマティクスとゲノム医療:その課題と将来展望

主催:
 独立行政法人 産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター
 公益財団法人かずさDNA研究所 ヒトゲノム研究部

日時:2013年11月20日(水)13:00~17:30
場所:産総研 臨海副都心センター 別館11F(東京都江東区青海2-4-7)

概要:
 ゲノムシーケンシングは研究室から臨床の現場に広がりつつあります。現在、健常
 者や患者のエクソームシーケンシング及びRNA Seqによる遺伝子発現の測定を行っ
 ている医療・研究施設は日本国内に限っても多数存在し、今後も確実に増えると思
 われます。無論これは、ゲノム情報の活用が疾病の予防と有効な治療につながると
 期待されているからです。また、少子高齢化に苦しんでいる日本では、医療のコス
 ト削減も切実な問題となっており、その意味でもゲノム情報の医療産業利用に対し
 て関心が高まっています。
 
 しかし、ゲノム情報が実際にこの期待に応えるためには、解決しなければならない
 課題がいくつもあります。まず、シーケンスデータの一次処理技術はまだ不十分で
 す。リードマッピング用の業界標準的なソフトウェアは既にいくつか配布されては
 いますが、選択的スプラシングや繰り返し配列の多型を精度良く検出することはま
 だ難しく、改良の余地が大きいです。次の問題は、ゲノム情報(蛋白質、機能性RN
 A、制御要素などの配列やエピゲノム修飾の位置)の違いが、分子又は細胞のレベル
 においてどのような影響を及ぼすかを予測する問題です。例えば、p53などの癌関
 連遺伝子に新規な点変異が観察された場合、その変異がp53の分子機能に影響する
 かどうかといった情報が求められています。配列から分子機能を予測するこの問題
 設定はバイオインフォマティクスとして新しい問題ではありませんが、モデル生物
 のゲノムアノテーション用に開発されてきた予測法が医療分野でどれだけ精度良く
 予測できるかは未知数です。最後に分子や細胞のフェノタイプから疾病の原因、ひ
 いては薬の投与までの長大なギャップをどう埋めていくかという大きな課題があり
 ます。

 今回のワークショップはバイオインフォマティクスの技術開発を行ってきた産総研・
 情報生命工学研究センターと、ゲノムシーケンシングと遺伝子発現シーケンシング
 (EST,RNA Seq)に実績のあるかずさDNA研究所が、ゲノム情報の医療利用促進に必
 要な技術課題を洗い出す場として企画しました。産総研とかずさDNA研究所の研究
 者に加え、臨床の著名な医学研究者をお招きして、合わせて6名の口頭発表と十数
 名のポスター発表を予定しています。

 開催場所は産総研臨海副都心センターのバイオIT融合研究棟11Fになりますが、
 まさにドライからウェット、生体分子の研究から臨床までの様々な専門分野の参加
 者が集まり、有意義な議論の場となることを多いに期待しています。また、その議
 論が十分行えるように、コーヒーブレイクとポスターセッションには長めの時間を
 割り当てています。奮って御参加ください。

 Paul Horton 独立行政法人産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター
 小原收 公益財団法人かずさDNA研究所 ヒトゲノム研究部

プログラム:
 13:00~13:30 小原 收(公益財団法人 かずさDNA研究所 ヒトゲノム研究部)
  "クリニカルゲノミクスの現状と課題"
 13:30~14:00 後藤 修(産総研 生命情報工学研究センター 比較ゲノム研究班)
  "スプライシングを考慮したリードマッピング技術"
 14:00~14:30 今井 耕輔(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 小児・周産期
 地域医療学講座)
  "クリニカルゲノミクスへの期待:遺伝性小児疾患の見地から"
 14:30~15:00 コーヒーブレイク
 15:00~15:30 光山 統泰(産総研 生命情報工学研究センター RNA情報工学チーム)
  "遺伝子発現解析とエピゲノムの解析とデータベース技術"
 15:30~16:00 垣見 和宏(東京大学医学部附属病院 免疫細胞治療学(メディネット)
 講座)
  "クリニカルゲノミクスへの期待:がん免疫治療の見地から"
 16:00~16:30 ポール・ホートン(産総研 生命情報工学研究センター 配列解析チーム)
  "アミノ酸配列の解析とデータベース技術"
 16:30~17:30 ポスターセッション


問合先:
 BiWO2013事務局
 TEL:03-3599-8080
 ※ホームページ(下記URL)のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

URL:http://www.cbrc.jp/mgiw2013/