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Vol. 60 No. 3(通巻349号)記事一覧

巻頭言

50%生物学
神田 大輔

解説

DeepInsight法:ゲノミクスなど非画像データを深層学習で扱う方法
角田 達彦

ゲノム・オミクスデータなどの非画像データを,深層学習で扱えるように,画像データに変換する方法DeepInsightを考案した.本研究により,深層学習のさまざまな能力を利活用し,遺伝子データなどいろいろな非画像データの背後にある複雑な特徴や構造が抽出でき,医療での診断や医学・生命科学など広範囲の応用に貢献すると期待できる

開閉可能な人工タンパク質ケージの構造と性質
岩崎 憲治,宮崎 直幸

複雑なタンパク質間相互作用を金原子一個に“ホッチキス”のような役割をもたせることで,これまでにない特性をもったタンパク質会合体の作製に成功した.会合体はケージ構造をしており,熱に強く,なおかつ変性剤にも強い.さらに広範囲のpHにおいて安定であるにもかかわらず,その会合・解離を簡単に制御できた.

脂質膜系の粗視化力場SPICAの開発とその展望
篠田 渉

主に脂質膜系のシミュレーションのために開発された粗視化力場SPICAは,界面活性剤や脂質が形成する自己集合膜の構造を全原子力場と同等の精度で再現し,密度,表面張力,線張力,弾性係数などの熱力学量を再現する.SPICA力場によって可能となったベシクル構造形成,膜融合,膜面内相分離などの計算例を紹介する.

トピックス

オルガネラ膜上のリン脂質分子分布の可視化
辻 琢磨,藤本 豊士

生体膜,特にオルガネラ膜内腔側において膜脂質の分布を解析することは技術的に困難であった.著者らはホスファチジルセリン(PS)の分布を可視化する電子顕微鏡法を開発し,PSが従来の理解とは異なる分布を示すことを明らかにした.本稿ではその方法と結果,さらにPS分布とスクランブラーゼの関係について述べる.

生体膜物理モデルによるゴルジ体再集合シミュレーション
立川 正志

ゴルジ体は脂質膜でできた扁平な嚢が複数積み重なった,特徴的な形態を持つオルガネラである.本稿では,最近の物理モデルを用いたシミュレーションの結果から,この形態が等方的なベシクルの集団から自己組織化的に作られるメカニズムについて紹介し,その形態の安定性が持つ生物学的意義について議論する.

複数の抗原を特異的に認識する抗体の抗原認識機構
鎌足 雄司

抗体G2は,親和性成熟した「一つの抗体は一つの抗原を認識」するという概念から外れ,「複数の抗原を特異的に認識」した.決定した3つのエピトープ配列間に類似性がないにもかかわらず,いずれに対しても高い親和性を有した.我々の研究は,G2の抗原結合部位は柔軟で,3つの異なる立体配座をとることにより,3つの異なる抗原と結合することを示した.

天然変性タンパク質によるオートファジー始動液滴の形成
藤岡 優子,野田 展生

オートファジーの開始点には多数のオートファジー関連タンパク質が集積し,新規の膜の伸展に働いている.その開始点は,天然変性タンパク質が液―液相分離することで形成されたメンブレンレスオルガネラであること,さらにその形成がリン酸化によって制御されていることを明らかにしたので紹介したい.

トピックス(新進気鋭シリーズ)

クライオ電子顕微鏡による多剤排出ポンプ複合体MexAB-OprMの構造解析
堤 研太

緑膿菌の多剤耐性に関わる多剤排出ポンプ複合体の詳細な構造はこれまで明らかになっていなかった.本稿では,クライオ電子顕微鏡・単粒子解析によって得られた緑膿菌由来多剤排出ポンプの薬剤存在・非存在状態のそれぞれの構造を示し,報告されている大腸菌由来のホモログポンプとは異なる薬剤排出機構について考察する.

耐酸性可逆的光スイッチ緑色蛍光タンパク質
篠田 肇

ハナガサクラゲから耐酸性の可逆的光スイッチング緑色蛍光タンパク質rsGamillusを開発した.rsGamillusは幅広いpH 環境中で高い蛍光強度を示す(酸解離定数3.6).rsGamillusで細胞を標識することで,酸性環境中における超解像イメージングが可能となった.

理論/実験 技術

ゲル濾過クロマトグラフィーと組み合わせたタンパク質X線溶液散乱解析技術
米澤 健人,清水 伸隆

生体高分子溶液の小角X 線散乱(BioSAXS)は,解析技術の発展と共に低分解能ながら構造解析の一手法として活用されてきた.しかし近年,ゲル濾過クロマトグラフィーと組み合わせたSEC-SAXS法が開発され,解析成功率が格段に向上するなどパラダイムシフトが起きている.本稿ではSEC-SAXSの測定解析技術の詳細とPF における開発状況を紹介する.

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