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Vol. 60 No. 2(通巻348号)記事一覧

巻頭言

みんなの桃源郷
古谷 祐詞

解説

アクトミオシンファイバーは張力依存的なシグナルを生成するプラットフォームとして機能する
平田 宏聡, 曽我部 正博

非筋細胞のアクトミオシンファイバーは,収縮力の発生装置としての役割だけではなく,張力を利用して生化学シグナルを生み出すプラットフォームとしても機能していることが分かってきた.本稿ではその具体例を紹介するとともに,細胞生物学的意義と分子/生物物理的メカニズムについて議論する.

タンパク質内エネルギー移動ネットワーク
倭 剛久

熱揺らぎするタンパク質内部では原子間でエネルギーのやりとりが生じている.MD 計算を使ってアミノ酸残基間のエネルギー流を計算すると,エネルギーの流れやすさを指標にしたアミノ酸残基のネットワーク図が得られる.この図を活用するとタンパク質のアロステリックな状態転移が良く表現できることがわかってきた.

植物の低温感知と馴化の制御:植物の冬季感知の理解に向けて
開 勇人, 上村 松生, 河村 幸男

温帯以北で生育する植物は,零下となる冬を越すために,秋から凍結耐性を徐々に上昇させる.これを低温馴化といい,植物は低温誘導性のCa2+シグナルを介して遺伝子発現を制御していると考えられている.本稿では,Ca2+ シグナルを手がかりに,植物がどのように低温や季節を感知し低温馴化を行っているか考察する.

トピックス

分子シミュレーションによるNa+/H+交換輸送体のメカニズム解明と輸送速度を上げる改変
岡崎 圭一

本研究では,分子シミュレーションを用いて,古細菌由来のNa+/H+ 交換輸送体であるPaNhaPの外向き開構造,さらに,イオン輸送が起こる瞬間のダイナミクスを解明した.また,遷移パスの解析から明らかになった疎水性ゲートの相互作用を弱める改変により,輸送速度を上げることに成功した.

実験と計算の連携による電位依存性ホスファターゼVSPの活性化機構の解析
川鍋 陽, 西澤 和久, 岡村 康司

電位依存性ホスファターゼVSP は,電位センサードメインが細胞質酵素ドメインを制御することで,電位依存的に酵素活性を発揮する.しかし,その制御メカニズムはいまだに不明である.本稿では,分子の視点に立脚したこれまでのVSP 研究を概説し,筆者らによる実験と計算を組み合わせた最新の研究成果を紹介する.

ラマンスペクトルから細胞の遺伝子発現を推定する
小林 鉱石, 亀井 健一郎, 中岡 秀憲, 若本 祐一

細胞ラマンスペクトルは,細胞内部の網羅的な分子組成情報を含んだ分光シグナルである.我々は最近,ラマンスペクトルとトランスクリプトームの間の統計的対応を利用して,トランスクリプトーム情報を非破壊的に推定できることを示した.このアプローチは1 生細胞内でのオミクス動態計測につながる可能性がある.

トピックス(新進気鋭シリーズ)

オプシン一分子の活性を桿体視細胞で検出
佐藤 慎哉

脊椎動物の視覚ロドプシンを構成するオプシンタンパク質は,リガンドのレチナールを解離した後も下流のG タンパク質を活性化する能力をわずかに示し,桿体視細胞の光感度調節に大きく寄与する.本稿では,筆者が桿体からオプシン一分子に由来する活性を検出した経緯を記し,桿体におけるオプシンの働きについて考察する.

理論/実験 技術

生細胞上での超長時間1分子観察と追跡
角山 貴昭, 楠見 明弘

蛍光顕微鏡法は重要な手法であるが,蛍光退色が大きな問題である.これを打ち破るため,2%の低酸素条件と酸化還元剤を組み合わせることによって,生細胞中で400秒以上の蛍光1 分子追跡が可能となった.本手法を用いてインテグリンが動的に細胞を架橋している様子が観察され,生細胞1分子追跡における有用性が示された.

生物発光を利用したワイヤレス脳活動計測
稲垣 成矩, 揚妻 正和, 永井 健治

本論文では,近年我々が開発した「生物発光膜電位センサー」を用いた,マウスでのワイヤレス脳活動計測法について報告している.この手法によりファイバーなどによる行動制限のない神経活動記録が可能になるだけではなく,社会的なコミュニケーションを支配する脳神経活動などの解明につながると期待される.

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