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第15回ナトリウムポンプと関連イオンポンプに関する国際会議
The 15th International Conference on Na,K-ATPase and Related Transport ATPases

2016年09月15日 会合

日時:2017年9月24~30日
会場:滋賀県大津市 びわ湖大津プリンスホテル(コンベンションホール「淡海」)

会費:150,000~200,000円(会場費・宿泊費・食費を含む)

概要:
P型ATPaseファミリーはATPの化学エネルギーを利用し、カルシウム、ナトリウム、カリウム、プロトン、銅、マンガン等のイオンを能動輸送するイオンポンプ蛋白質群と、膜リン脂質の非対称的分布を行うflippase群からなる、生物学的・医学的に極めて重要な膜蛋白質のファミリーである。筋・心筋障害、癌、糖尿病、免疫異常、神経異常など様々の重篤な疾病と深く関連しているため、古くからの重要な研究テーマである。1957年にナトリウムポンプを発見したSkou教授は1997年のノーベル化学賞を受賞しており、故江橋東大名誉教授(日本学士院会員・基生研元所長)による筋肉の弛緩因子の研究がカルシウムポンプの発見、そしてカルシウムによる多様な細胞機能制御解明の出発点となった。また、故殿村阪大教授、中尾東京医科歯科大名誉教授らは世界の先駆者として著名な業績を残している。この流れは脈々と続いており、東大・豊島らによるカルシウム/ナトリウムポンプの一連の結晶構造解析は2000年以降、P型ATPaseのフィールドの枠を遥かに超える広い領域に大きな衝撃を与え続けている。機能解析では旭川医大・鈴木らの精力的研究が世界をリードしており、各反応中間体の原子構造と非常に広範な分子生物学的・生化学的研究に基づき、反応機構と病態発生の詳細が研究されている極めて先端的な分野である。更に近年は免疫学や認知症学といった異分野からの参入が相次ぎ、当該研究分野の医学的・生物学的重要性が急速に増大している。例えば、阪大グループによるflippaseの異常と神経疾患/免疫異常/癌との関連の解明や、アルツハイマー病の神経細胞死にα3ナトリウムポンプが関連することの京大グループによる発見等は最近の大きなトピックスである。このように最近の重要な貢献は日本で成されており、この時点でこの分野の研究者が一堂に会する国際会議を日本で開催することにより、創薬等への展開も見据えて最先端の研究分野の更なる発展を目指すとともに、日本の若手研究者の育成を促進したい。
 本集会は1973年より3年に1度開催され、これまで世界各国で開催されてきた。日本での開催は1999年以来の18年ぶりであり、各国の研究者から日本での開催を強く求められてきたものである。現在のところ、国内からは6名、海外からは21名の本分野の研究者が招待講演者として参加確約済みであり、総参加者は約200名を予定している。

※詳細は下記のURLをご確認ください。

URL:http://www.kuba.co.jp/ATPases2017/index.html



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