「生物物理」誌(学会PDF版) 目次・PDF file閲覧

「生物物理」誌(学会PDF版)閲覧

  • 最新刊は上記より冊子(号)単位のみダウンロードできます(エンバーゴ設定:公開方法変更)。
  • 以前のものは上記ボタンのほか、下記から各記事ページへリンクされます。

  • 株式会社エビデント
  • ソーラボジャパン株式会社
  • 大陽日酸株式会社
  • 株式会社ニコン ソリューションズ

Vol. 65 No. 6(通巻382号)記事一覧

巻頭言

女性研究者である私が理想に近づくために
柳澤 実穂

総説

高速原子間力顕微鏡による電位依存性ナトリウムチャネルの開閉構造と分子間相互作用の解析
角野 歩,炭竈 享司,柴田 幹大,入江 克雅

電位依存性Na+チャネル(Nav)は急峻な活動電位の発生に必要不可欠だが,Navの開閉構造や,Nav間相互作用の詳細は不明だった.我々は,高速原子間力顕微鏡により,Navが閉じると電位センサーがポアドメインから離れて他のNavの電位センサーと二量体化することを発見した.この現象は,Navの協同的開口をもたらす分子実態の候補となる.

タンパク質中の水素結合基の伸縮振動とプロトン移動
辻村 真樹,斉藤 圭亮,石北 央

タンパク質環境内で水素結合を形成する官能基のO–D伸縮振動数やC=O伸縮振動数はpKaと強く相関するが,pKaaの直接測定は困難である.本研究では,これらの伸縮振動数を指標としてプロトン移動のドナーおよびアクセプターのpKaを同定し,プロトン移動を伴うタンパク質環境内での反応機構の解明を可能とする理論的な手法を確立した.

クライオ電子線トモグラフィーによる細胞内でのエボラウイルスのヌクレオカプシド形成過程の解明
渡辺 玲香,Erica Ollmann SAPHIRE

細胞内でのエボラウイルスのヌクレオカプシド形成過程の構造的理解を目的とし集束イオンビームミリングとクライオ電子トモグラフィーを組み合わせ,細胞内でのヌクレオカプシドの形成過程を可視化することで得られた知見を紹介する.また,細胞内クライオ電子トモグラフィーの現状と課題,今後の展望についても考察する.

トピックス

複製フォークにおけるヒストンH3/H4リサイクリングの分子メカニズム
長江 文立津,村山 泰斗,寺川 剛

ヌクレオソームを構成するヒストンへの化学修飾は,DNA配列を変えずに遺伝子発現を制御する情報(エピゲノム)として機能する.本稿では,DNA複製時に親由来のヒストンが再利用され娘DNA上にヌクレオソームが再形成されるヒストンリサイクリングの分子機構を明らかにした研究について紹介する.

細胞膜の形と流動性からとらえるがん細胞接着挙動
松﨑 賢寿,吉川 洋史

生きた細胞の細胞膜のナノ形状と流動性を同時計測可能な顕微鏡法を開発した.本顕微法により,がん細胞の悪性度の指標となり得る細胞膜の物理的特徴を発見し,関連する分子種を特定した.本顕微法を用いることで,生命現象における細胞膜の形状・流動性の役割解明が期待できる.

光学的に非対称なヤヌスナノ粒子を用いた回転分子モーターの1分子観察とトルク計測
大友 章裕,飯野 亮太

光学的非対称性を持つヤヌスナノ粒子を用いた回転分子モーターの1分子観察法を確立した.シリカビーズの半球面を金コートしたヤヌスナノ粒子の位相差顕微鏡観察でV-ATPaseの回転運動を直接可視化し,回転速度と発生トルクを測定することに成功した.本手法は様々な分子モーターの動態解析への応用が期待される.

アミロイドβ線維の成長メカニズムの解明とアルツハイマー病の進行を阻止する新たな手がかり
矢木 真穂

高速原子間力顕微鏡により,アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβ線維が2本のプロトフィラメントを交互に伸ばしながら断続的に成長する様子を可視化した.さらに,モンテカルロシミュレーションでこの成長過程を再現するとともに,成長末端に選択的に結合し線維の伸長を阻害する抗体の作用機構も明らかにした.

理論/実験 技術

エンドツーエンド微分可能探針形状推定法によるAFM画像の鮮明化
松永 康佑,大金 智則,渕上 壮太郎,高田 彰二

AFM画像の歪みの原因となる探針形状を,ノイズに強い微分可能なアルゴリズムで推定するデータ解析手法を開発した.推定された探針形状で歪みを取り除くことにより,従来法より高精度な画像鮮明化を実現することができた.本手法は,他の構造データとの定量的比較を可能にする解析ツールとして期待される.

談話室

キャリアデザイン談話室(32):生物と物理,コウモリのような立場の私
石島 秋彦

リレーエッセイ:シン・私が影響を受けた論文(10):十代の未来に?―荘子,普遍生物学,さよなら(?)非平衡,そして―
金子 邦彦

支部だより ~東北支部より~
柴田 穣

若手の会だより ~若手の会との出会いから1年~
山田 哲平

海外だより ~ドイツの2つの研究室で学んだ構造生物学~
石坂 優人

編集後記
小島 慧一(会誌編集委員)

「生物物理」誌(学会PDF版)閲覧

  • 最新刊は上記より冊子(号)単位のみダウンロードできます(エンバーゴ設定:公開方法変更)。
  • 以前のものは上記ボタンのほか、上記から各記事ページへリンクされます。


前のページに戻る