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Vol. 65 No. 4(通巻380号)記事一覧

巻頭言

昔はよかった
加藤 貴之

総説

アクチン線維のゆらぎによるコフィリン結合制御
成田 哲博

コフィリンはアクチン線維を切断,脱重合することで,細胞内アクチン線維の重合,脱重合によるターンオーバーを大幅に加速する.アクチン線維へのコフィリンの結合は,アクチンのドメイン間ゆらぎ,D-loopゆらぎ,らせんゆらぎの三つのゆらぎに依存する.つまり,構造ゆらぎがタンパク質間の結合を直接制御している.

デスミン中間径フィラメントとアクチン線維との間のルースな相互作用
羽鳥 晋由

筋細胞に発現するデスミン中間径フィラメントは細胞に機械的強度を与え,統合性に寄与する.中間径フィラメントを含めた細胞骨格線維間のクロストークが細胞機能調節に重要な働きをもつ可能性がある.本総説では,in vitro 蛍光顕微鏡観察により明らかにしたデスミンとアクチンとの間の相互作用の様態を紹介する.

人工細胞で探るアクチン骨格機能の自己組織化メカニズム
宮﨑 牧人

アクチン細胞骨格は核や紡錘体の配置制御や細胞運動を駆動する.本稿では細胞質抽出液を封入した油中液滴の中で観察された,様々な動的アクチン骨格の自己組織化現象を概説する.得られた結果をもとに細胞内でのアクチン骨格形成と機能発現の制御,アクチン骨格分子の力を介した細胞内空間認識メカニズムについて考察する.

単細胞生物が獲得した細胞外構造構築システム
野村 真未,西上 幸範

我々ヒトが家を建てるように,単細胞生物も体外に構造を構築する.有殻アメーバは細胞分裂に先立ち,母細胞が娘細胞のための被殻を細胞外の鋳型のない空間に構築するが,目や手,脳のない単細胞生物がどのようにして細胞外に被殻を構築するのか?本総説では有殻アメーバの被殻構築および被殻構造について紹介する.

3次元Zernike記述子を用いたタンパク質の構造分類
加賀谷 祐輝,木原 大亮

タンパク質は生体内で様々な機能を果たすが,その機能を理解するためにはタンパク質の三次元立体構造を理解することが必要不可欠である.三次元Zernike記述子(3DZD)を用いると,タンパク質の表面形状を回転及び並進不変な形でコンパクトに記述することができる.このため3DZDはタンパク質の構造を比較したり,形状に基づいた検索を行ったりするために広く用いられている.この総説では,3DZD 持つ特性とタンパク質構造分析への様々な応用について説明する.

トピックス

病原性細菌の鉄取り込み戦略の分子構造基盤
妹尾 暁暢,津本 浩平,Jose M. M. CAAVEIRO

化膿連鎖球菌はヒトへの感染時に,菌の生育に必須な鉄をヘモグロビンから奪取する.本稿では,この機能を司っているタンパク質Shr とヘモグロビンの相互作用様式を構造生物学的に検証した研究について記述する.また,その特徴について黄色ブドウ球菌の鉄取り込みシステムと比較しながら概説する.

菌類の菌糸体は図形のかたちを識別するか
深澤 遊

菌類の菌糸には脳や神経系はないが,記憶・決断・学習といった基盤認知的能力が知られている.本稿では,菌糸ネットワークの形状と活性の関係から脳における図形識別との類似性を考察するとともに,菌糸の知的な行動のメカニズムとして電気的なシグナル伝達の可能性について最新の研究結果を紹介する.

自然免疫応答STING経路の活性化機構と脂質ラフト
田口 友彦,鈴木 健一

STINGは,自然免疫応答などに重要だが,シグナル伝達機構は不明であった.我々は,1分子・超解像顕微鏡観察法を用い,この問題に挑んだ.STINGは,刺激後,トランスゴルジネットワークに移行し大クラスターを形成し,下流のTBK1を活性化したが,それにはパルミトイル化とラフトへの局在が必須であることを見出した.

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