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Vol. 65 No. 3(通巻379号)記事一覧

巻頭言

挑戦は足元から
林 久美子

解説

ゲノム複製と姉妹染色分体間接着の形成機構
村山 泰斗

複製を経て倍加した染色体はコヒーシンと呼ばれるタンパク質複合体により接着される.この姉妹染色分体間接着は正確な染色体分配を保証し,細胞分裂に不可欠な構造体である.本解説では,進展が著しい生化学的再構成研究を中心に紹介し,コヒーシンによる接着制御の分子機構の現状について述べる.

総説

データ駆動型手法によるヒトゲノム立体構造の解明
中戸 隆一郎

データ駆動型ゲノム解析では,主に次世代シーケンサーから得られる全ゲノム情報を利用し,これまでの生物学的知識に頼ることなく新規の作業仮説を探索する.本稿ではその実例として,筆者らが最近発表した大規模マルチオミクス解析によるデータ駆動的なゲノム立体構造制御機構の解析事例を紹介する.

線虫の温度応答メカニズム:タンパク質による刺激受容が個体応答を引き起こすまでの道筋を暴く
薮内 翔,森 雪永,金村 菜々子,久原 篤

温度は生物にとって重要な環境情報の一つである.本稿では,C. elegans において,温度応答に関わるメカニズムである温度順化と低温耐性に注目し,特に最近見つかった新規の温度感受性GPCRや,温度順化に関わる腸の脂肪蓄積を制御する全身性の神経回路などの最新のトピックを紹介する.

アロステリック調節薬によるμオピオイド受容体の活性化機構
今井 駿輔,嶋田 一夫

鎮痛作用を司るGタンパク質共役型受容体μオピオイド受容体(MOR)の活性発現機構を,溶液NMR法を用いて解明した.MORは活性の異なる3構造間の平衡状態にあり,アロステリック調節薬はこのうち最も活性の高い構造の存在比を上昇させることで従来のリガンド単独では達成できないレベルにMORの活性を高める.

トピックス

圧力軸で観るタンパク質の液液相分離と異常凝集
白砂 雄太郎,北原 亮

RNA結合タンパク質として細胞内で働くFUSは液液相分離により液滴を形成し,異常凝集を起こし,神経変性疾患を招く.このメカニズムを解明するため,圧力―温度相図や圧力ジャンプ分光法による速度論的解析を行った.著者らは,疾患型変異体であるR495Xについて物性解析を行い,その物理的性質を明らかにした.

マイコプラズマ滑走運動の力と歩幅と寄生戦略
水谷 雅希,宮田 真人

細胞壁を失った細菌マイコプラズマは,その後の進化の過程で二種類の独自の滑走運動機構を構築した.本記事では,ヒト肺炎原因菌であるマイコプラズマ・ニューモニエがもつ滑走運動機構について紹介,また光ピンセットを用いた動力学測定からみえてきた,滑走運動のメカニカルサイクルについて解説する.

トピックス(新進気鋭シリーズ)Topics (Young Scientist Series)

Functional and biophysical characterization of abundant transport proteins from SAR11 bacteria
Ben E. CLIFTON

海洋細菌の輸送タンパク質は,海洋における栄養素循環に重要である.本稿では,遍在するSAR11細菌の輸送タンパク質の機能解析について紹介する.非常に高い結合親和性に代表される,これらの輸送タンパク質に特有な生物物理学的特性が,SAR11細菌の低栄養環境への適応に大きく関与していることが明らかになった.

「小型」かつ「高活性」二刀流CRISPR-Cas酵素
大村 紗登士

ゲノム編集ツールとして広く利用されているCas9やCas12aを動物個体に送達する場合,それらの遺伝子の大きさがしばしば問題となる.我々は,既存のCas9/Cas12 で最小の酵素であるAsCas12fの分子改変によって,Cas9やCas12aと同等のゲノム編集活性を有する改変型AsCas12f を創出した.本稿ではその分子改変戦略について概説する.

談話室

キャリアデザイン談話室(29):迷いとともに歩んだ記録
元池 育子

リレーエッセイ:シン・私が影響を受けた論文(7):蛋白質のフォールディング問題とランダムコイル説
桑島 邦博

支部だより ~九州支部より~
中村 照也,下野 和実,高橋 大輔

若手の会だより ~第65 回生物物理若手の会夏の学校の試み~
水野 陽介

海外だより ~パンデミック下での海外ラボ立ち上げ記~
市川 宗厳

編集後記
谷中 冴子(会誌編集委員)

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