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Vol. 63 No. 6(通巻370号)記事一覧

巻頭言

総説

微小管の自発的核生成
今井 洋,武藤 悦子

GTPチューブリンからどのようにして微小管の重合が始まるのか?これまで「自発的核生成」のしくみはほとんど知られていなかったが,筆者らは,溶液中の多様なチューブリンオリゴマー中,形とサイズの両方で一定の基準を満たす,ごく少数のオリゴマーのみが,微小管にまで成長できることを明らかにした.

トピックス

ミニマル細菌に再構築する2種の細菌アクチンMreBによる最小の細胞運動システム
木山 花,柿澤 茂行,宮田 真人

走る,飛ぶ,泳ぐなどの運動能は「生き物らしさ」の一端を担う.本稿では最もシンプルな仕組みで動くと思われる小さならせん細菌の遊泳運動を,自己増殖できる最小の生命体であるミニマル細菌に再構築した.再構築から明らかになった2種の細菌アクチンMreBがモーターとして働く最小の細胞運動について紹介する.

遊走メカニズムを数理モデルから理解する
多羅間 充輔,山本 量一

細胞遊走は発生や恒常性の維持などの生命現象において本質的な重要性を持つ.一方,細胞の生み出す力の総和はゼロとなる.このフォースフリーの条件のもとで細胞内の化学濃度伝搬波がどのように細胞の空間的な運動に変換されるのかを,細胞内化学反応と細胞力学を組み合わせた数理モデルを用いて解析した研究を紹介する.

メカノセンシングを介した脂質過酸化に伴う細胞死誘導機構
平田 祐介,松沢 厚

鉄依存的な脂質過酸化反応により,細胞内に過酸化脂質が蓄積すると,フェロトーシスと呼ばれる制御性細胞死が起きる.しかし,過酸化脂質のターゲット分子や,細胞死実行機構については,未だ不明である.本稿では,Piezo1/TRPチャネルによるメカノセンシングを介した本細胞死の新規制御機構をご紹介する.

Wnt/βカテニンシグナルの開始機構:進化分子工学と構造解析によるアプローチ
堤 尚孝

胚発生や生体組織の恒常性維持に重要なWnt/βカテニンシグナルを開始するWnt-Frizzled-LRP6複合体の形成機構を,タンパク質工学,クライオ電子顕微鏡単粒子解析,X線結晶構造解析,および細胞機能実験を組み合わせて明らかにした.得られたシグナル複合体の描像は新規Wntシグナル拮抗薬・作動薬の開発に繋がると期待される.

酵母の集団における“latecomer killing”現象の発見
畠山 哲央,小田 有沙

グルコースなどの糖が欠乏した飢餓ストレス環境下において,酵母が種を超えて“latecomer killing”という現象を普遍的に示すことを報告する.酵母たちは,飢餓環境下で毒を分泌し,たとえ自らのクローンであっても,他の細胞を殺してしまう.同時に,彼らはその毒に適応し,子孫に受け継ぐことで,自らとその子孫は生き残るのだ.

理論/実験 技術

生化学反応過程を記述した文章による実行可能な数理モデルの生成と患者固有モデリングへの応用
井元 宏明,岡田 眞里子

細胞内の反応ネットワークや反応速度,遺伝子発現情報などを取り込める MechanisticかつDynamicな数理モデルは,細胞のシステムとしての振る舞いを予測・制御する上で最も有効なアプローチの一つである.本稿では,Pasmopy(Patient-Specific Modeling in Python)を用いた,テキストから数式を経由しない実行可能な数理モデルの生成および,がん公共オミクスデータを用いた患者固有モデルへの応用について紹介する.

大腸菌走化性運動における最適な感知と制御
中村 絢斗,小林 徹也

大腸菌の走化性応答はこれまで定量的実験により詳細に特徴づけられてきたが,応答が示す確率性や非線形性からその適応的意義を理論的に調べることに困難があった.部分観測最適制御理論を活用することで,大腸菌の走化性応答の最適性を検証し,その適応的意味を示した理論を紹介する.

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