「生物物理」誌(学会PDF版) 目次・PDF file閲覧

「生物物理」誌(学会PDF版)閲覧

  • 最新刊は上記より冊子(号)単位のみダウンロードできます(エンバーゴ設定:公開方法変更)。
  • 以前のものは上記ボタンのほか、下記から各記事ページへリンクされます。

  • ソーラボジャパン株式会社
  • クロマテクノロジジャパン合同会社
  • 大陽日酸株式会社
  • 株式会社ニコン ソリューションズ
  • <-- ニコン ソリューションズ/ニコン インステック -->
  • オリンパス株式会社

Vol. 61 No. 6(通巻358号)記事一覧

巻頭言

年会の国際化
山崎 昌一

解説

蛋白質フォールディングとミスフォールディングの統合
野地 真広, 後藤 祐児

蛋白質のフォールディングは,「アンフィンセンのドグマ」により「天然構造が熱力学的に最安定」なのだと説明される.他方,アミロイド線維形成などのミスフォールディングは,ドグマを逸脱した現象である.本解説では,蛋白質の過飽和に注目したフォールディングとミスフォールディングの統合について述べる.

総説

Gタンパク質共役型受容体の生細胞1分子計測を薬効薬理評価に応用する
柳川 正隆, 佐甲 靖志

ヒトは約800種のGタンパク質共役型受容体(GPCR)を持つ.GPCRは細胞膜で情報入力を司るため,主要な薬の標的となる.本稿では,過去のGPCRの細胞内1分子計測を概説する.また,多様なGPCRに共通した拡散動態変化について紹介し,拡散機能相関に基づく薬効薬理評価への応用について展望を議論する.

変性した蛋白質が可逆的に会合体を形成する反応の示差走査熱量測定
城所 俊一

変性した蛋白質が数分子で可逆的な会合体(RO)を形成する場合があること,C末端に疎水性のペプチドを付加したり,分子表面のアミノ酸を置換したりすることで,このROの安定性を人為的に制御できることがわかってきた.これら最近の研究成果を紹介するとともに,ROと変性状態の高次構造や,アミロイド線維の会合核との関係について考察する.

光応答性CaMKIIの開発と単一シナプス光操作―ローカルオプトジェネティクス―
植田 大海, 長澤 裕太郎, 村越 秀治

光遺伝学は細胞レベルでの光操作を可能にしたが,既存の光遺伝学ツールでは神経細胞シナプスのような微小構造の操作は困難であった.最近我々は,単一シナプスの光操作が可能な新規光遺伝学ツール「光応答性CaMKII」を開発し,2光子励起と組み合わせることでシナプス長期増強の誘起に成功したので報告する.

トピックス

情報高分子の連携によるベシクルの成長と分裂
栗栖 実, 今井 正幸, WALDE Peter

「生命とは何か?」という問いへのアプローチの1つが,生命の本質的な機能を実際にシンプルな形で創ってみることで生命らしさを理解しようというミニマルセル研究である.本稿では鋳型重合により情報高分子と連携したモデル生体膜が成長・分裂するという,最近我々が構築した自己生産系について紹介する.

冷却イオン分光で探る生体分子の相互作用
石内 俊一

エレクトロスプレーと冷却イオントラップの技術を組み合わせることで,極低温気相状態での生体分子のレーザー分光が可能になった.この方法は,生体分子の局所的な相互作用を調べるのに威力を発揮する.分子認識やイオン識別に関連する生体分子の研究を例に,この新しい方法を簡単に紹介する.

ヘキサンジオールは細胞内のクロマチンを凝縮させる
伊藤 優志, 井手 聖, 前島 一博

1,6-ヘキサンジオール(1,6-HD)は,液―液相分離によって形成された液滴を溶かすために広く使われてきたが,細胞への影響は不明であった.今回,筆者らは単一ヌクレオソームイメージングを用いて,1,6-HDが生細胞内のクロマチンを固定化・凝縮させることを明らかにした.この結果は1,6-HDが細胞に深刻な影響を与えることを示唆している.

間葉系幹細胞の分化制御を目指した培養基板の設計
山崎 雅史, 木戸秋 悟, 藤江 裕道, 三好 洋美

間葉系幹細胞は多様な細胞に特殊化,機能化する分化能を有するため,再生医療における有力な細胞供給源として期待されているが,分化能のばらつきが課題となっている.分化能のばらつき要因となる培養基板の剛性に対する細胞応答特性の理解に基づく分化制御のアプローチについて解説する.

SAM複合体によるミトコンドリアβバレル膜タンパク質の膜組み込み
竹田 弘法, 遠藤 斗志也

ミトコンドリア外膜にはβバレル膜タンパク質が存在し,様々な代謝産物を輸送する.SAM複合体はβバレル膜タンパク質を膜に組み込む挿入装置である.我々は二種類のSAM複合体のcryo-EM構造を明らかにし,
SAM複合体が「βバレルスイッチ機構」によってβバレル膜タンパク質を膜へ挿入することを解明した.

精密3次元位置検出が拓く多様な分子モーター研究への新しいアプローチ
西坂 崇之, 加藤 孝信, 中根 大介

これまで光学顕微鏡での3次元位置検出法がいくつか報告されてきた.本稿では筆者らのグループが開発した,単一粒子に対するナノメートルオーダー精度での3次元位置検出法の概要を紹介する.アプリケーションとして,光ピンセットとの組み合わせや分子モーターの精密トルク測定への応用についても解説する.

トピックス(新進気鋭シリーズ)

Calculation of Binding Free Energy and Kinetic Rates with Flexible Protein Docking
Duy Phuoc TRAN, Akio KITAO

効率的な分子シミュレーションPaCS-MD法と得られた結果をマルコフ状態モデル(MSM)で解析するPaCS-MD/MSM法を開発し,タンパク質MSM2とフレキシブルなタンパク質断片TAD-p53とが形成する複合体立体構造や標準結合自由エネルギー,結合・解離速度定数を予測できることを示した.

理論/実験 技術

代謝漏出による微生物の共存共栄戦略
山岸 純平, 斉藤 稔, 金子 邦彦

微生物は栄養を取り込む一方で,成長に不可欠なものも含めた様々な代謝物を環境中に漏出してもいる.本稿では,細胞成長を粗視化した力学系モデルを用いて,必須代謝物の漏出・排出が単離細胞の成長をかえって促進しうることを示す.このことを踏まえ,微生物生態系における代謝物のやりとりによる多種共生の進化的起源についても論じる.

膜電位イメージングで見えるようになったもの
冨永 貴志, 梶原 利一, 冨永 洋子

神経細胞のネットワークで交わされる脳内の信号は,ミリ秒単位の膜電位変化である.その機構解明には多くの神経細胞活動を可視化する手段が有効である.膜電位変化の光変換分子である膜電位感受性色素(VSD)による測定の改良で,記憶学習に関わる大規模神経回路の情報処理の可塑的変化を捉えることが可能になった.

「生物物理」刊行60周年記念 連続座談会Ⅲ

生物物理学の概念と展望
今井 正幸, 古賀 信康, 佐甲 靖志, 原田 慶恵, 古澤 力, 澤井 哲, 田口 英樹

「生物物理」誌(学会PDF版)閲覧

  • 最新刊は上記より冊子(号)単位のみダウンロードできます(エンバーゴ設定:公開方法変更)。
  • 以前のものは上記ボタンのほか、上記から各記事ページへリンクされます。


前のページに戻る