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Vol. 61 No. 4(通巻356号)記事一覧

巻頭言

解説

中性子結晶解析の進展が明らかにする酵素反応機構
河野 史明, 栗原 和男, 玉田 太郎

中性子は原子中の原子核と相互作用するため,軽元素(特に水素原子)の観察や同位体の識別が可能という特徴を有する.この特徴を活かしたタンパク質の中性子結晶解析から明らかにした酵素反応機構を紹介するとともに,試料作製や測定法について解説する.

総説

細菌の祖先型イオンチャネルから探る,普遍的なカルシウム選択機構
下村 拓史, 入江 克雅

膜電位依存性イオンチャネルの研究において,細菌由来のものは構造・機能の理解に役立ってきたが,その進化の理解についての鍵を握る細菌由来のカルシウムチャネルは未だ同定されていなかった.筆者らはこれの同定に成功し,その選択的イオン透過機構について高等生物のカルシウムチャネルにも共通する普遍性を見出した.

1分子観察から見えてきた大腸菌ヘリカーゼUvrDのDNA巻き戻し機能と多量体形成
横田 浩章

大腸菌のスーパーファミリー1 非六量体型ヘリカーゼUvrDの効率的なDNA巻き戻しは,単量体,多量体のどちらでなされるのか?この問いに決着をつけるために,単量体モデルの提唱に用いられたC末端40アミノ酸欠失変異体UvrDΔ40Cの蛍光1分子直視を行ったところ,定説に反し,野生型UvrDと同様,多量体モデルを支持する結果を得た.

RNA酵素とペプチドの相互作用から探る原始生命進化
田上 俊輔

生命はどのような分子を用いて地球上に誕生したのだろうか.RNAは情報の保存と酵素機能を同時に実現できるが,非生物的な合成が困難で,化学的にも不安定である.本総説では,塩基性ペプチドとの相互作用によって,RNAが様々な弱点を克服し,生命誕生につながったであろうとする最新の知見を紹介する.

アミロイド線維前駆中間体の観測とそれを標的とした線維形成阻害―インスリン由来モデルペプチドとフィブリノーゲンを用いた検証―
山本 直樹, 茶谷 絵理

アミロイド線維は種々の疾患に関連するタンパク質の凝集体である.我々は,モデルペプチドにおけるアミロイド線維形成を種々の測定手法により追跡し,特定の中間体が線維形成に関与することと,この中間体にフィブリノーゲンが相互作用し線維形成が阻害されることを見出した.本稿ではその詳細について解説する.

人工RNA複製システムの実験進化による物質から生命への複雑化プロセスの探求
古林 太郎, 市橋 伯一

生命のない分子の世界からどうやって多様な生物に溢れる世界が生まれ得たのだろうか?本総説では,分子システムの試験管内進化実験によりこの答えを得ようとする試みを紹介する.先駆者であるスピーゲルマンの進化実験から,近年の著者らによる寄生体との共進化までの進捗について報告したい.

トピックス

細胞膜受容体の集合とシグナル伝達の3色同時蛍光1分子イメージングによる解析
吉村 英哲

筆者らが最近行った,Formyl peptide receptor 1(FPR1)の集合とシグナル伝達能についての生細胞1 分子イメージングによる研究について概説する.FPR1とリガンドおよび下流分子であるGα を3 色同時生細胞1分子観察することで,FPR1はリガンド結合と集合体形成の両方の条件が満たされた際に強いシグナル伝達能を示すことを見出した.

線虫の極性形成における“バタフライ効果”
木村 健二, 木村 暁

個体発生のモデル生物として用いられる線虫では,受精後に前後軸極性が定まると,その後は型通りの発生が進む.我々は,微小管の動的不安定性という分子レベルのゆらぎが,細胞質流動による雄性前核の移動に影響し,細胞の極性の決定を介して,個体の前後方向の決定にまで影響することを明らかにした.

トピックス(新進気鋭シリーズ)

非古典的ロドプシンの構造多様性
志甫谷 渉

近年,イオン輸送とは別の機能を持つ微生物型ロドプシンが次々と発見されており,我々は「非古典的ロドプシン」と総称している.本稿では,非古典的ロドプシンであるヘリオロドプシンや酵素型ロドプシンRh-PDEの構造を紹介し,既存の微生物型ロドプシンとの相似性や構造多様性について紹介する

膜結合タンパク質とホスホイノシチド含有生体膜の相互作用
山本 詠士

細胞内のシグナル伝達や小胞輸送は,細胞質内に存在する膜結合タンパク質の細胞膜への結合によって制御されている.本稿では,生体膜上でのタンパク質―脂質相互作用が膜結合タンパク質の結合様式に与える影響について,分子動力学計算を用いて解析した研究を紹介する.

「生物物理」刊行60周年記念 連続座談会Ⅱ

広がる生物物理学の研究対象
岡田 眞里子, 津本 浩平, 永井 健治, 野地 博行, 坂内 博子, 須藤 雄気, 柳澤 実穂

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