生物物理ビデオアーカイブ

磁性細菌の太いべん毛装置の立体構造モデル

種名: Magnetotactic bacteria M0-1

北陸先端大学 川上勝

- 水平連結六方7連べん毛モーターの高速回転の秘密 - 大腸菌やサルモネラ菌では数本の細いべん毛がゆるく束を作っているのに対し、磁性細菌MO-1の2本の太いべん毛は、それぞれが7本の細いべん毛繊維が密な束となって1本に見える。この密な束のなかではそれぞれのべん毛が回転すると摩擦によってうまく回らないはずである。電子線クライオトモグラフィー法によりMO-1のべん毛構造を解析したところ、この太いべん毛は7本のべん毛繊維だけでなく24本の微小繊維も含んでおり、個々のべん毛繊維を6本の微小繊維が等間隔に取り囲むように整然と並んでいた。そのためその両者は、お互いに逆方向に回転することで歯車が咬み合うような動きをしているのではないかと考えられた。そうすることで摩擦を生じることなく、それぞれのべん毛繊維を高速回転させることができ、強い推進力を生み出すことができると考えられる。

Architecture of a flagellar apparatus in the fast-swimming magnetotactic bacterium MO-1.

(2013.06.27)

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