生物物理ビデオアーカイブ

結核菌ファゴソームからRab7はかい離する

浜松医科大学 瀬戸真太郎

結核菌は細胞内寄生性細菌であり、マクロファージに貪食されても、その中で生存することができる。これは、結核菌がファゴソームとリソソームの融合(ファゴリソソーム形成)を阻害するためである。Rab7はこのファゴリソソーム形成に機能するタンパク質である。このビデオはGFP融合Rab7を発現するマクロファージに結核菌を感染させて、感染30分から150分まで共焦点レーザー顕微鏡で観察した細胞像を示している。感染30分ではRab7(緑)が結核菌(赤)の周りに局在しているが、だんだん、Rab7が結核菌ファゴソームから外れていく様子を捉えている。このようにして、結核菌は局在しているRab7を自身のファゴソームからかい離させることによってファゴリソソーム形成を阻害していると考えられている。

Rab GTPases Regulating Phagosome Maturation Are Differentially Recruited to Mycobacterial Phagosomes (Traffic, 12 (4): 407-420, 2011)
Dissection of Rab7 localization on Mycobacterium tuberculosis phagosome (BBRC, 387 (2), 272-277, 2009)

(2014.01.17)

収録ビデオのご利用について

ご利用に関しては
以下へご連絡ください。

日本生物物理学会事務局
bpsjp@biophys.jp
TEL : 075-415-3661