第5回Biophysics and Physicobiology論文賞

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会誌56巻1号および学会ホームページにて会員の皆様にご推薦をお願いした第5回Biophysics and Physicobiology 論文賞(旧BIOPHYSICS 論文賞)受賞論文が決定いたしましたので、ここにお知らせします.

Yuki Sudo, Hiroyuki Terashima, Rei Abe-Yoshizumi, Seiji Kojima, Michio Homma
"Comparative study of the ion flux pathway in stator units of proton- and sodium-driven flagellar motors"
BIOPHYSICS Vol.5 pp.45-52 (2009)

【授賞理由】
 本論文には、細菌のイオン駆動型べん毛モーターの固定子複合体におけるイオン透過経路とイオン選択機構を変異体により解析した結果がまとめられている。大腸菌および海洋性ビブリオ菌のべん毛はそれぞれ共役イオンとしてH+とNa+を用い、固定子である膜タンパク質複合体MotA/B(PomA/B)が共役イオンを透過してべん毛回転を駆動している。MotA/B(PomA/B)はイオンチャネルとして機能するが、イオン透過経路やイオン結合部位、イオン選択能の分子機構の詳細については理解されていなかった。本論文で著者らはMotA/B(PomA/B)の膜貫通領域のアミノ酸残基に変異を導入し、細菌の運動速度の解析を行うことで、イオン透過経路とイオン選択に関わるアミノ酸残基の同定に成功した。これらの成果は、べん毛モーターのエネルギー変換機構を解明するための重要な一歩であるとともに、より一般的な膜タンパク質のイオン選択透過機構の理解に重要な示唆を与えるものである。
以上の理由により、本論文を第5回Biophysics and Physicobiology論文賞にふさわしい論文であると認める。

2016 年7 月
Biophysics and Physicobiology 論文賞選考委員会