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大阪大学蛋白質研究所セミナー 産業応用を志向するタンパク質溶液研究

2017年08月02日 会合

日時:2017年9月11日(月)13時半~9月12日(火)15時
場所:大阪大学蛋白質研究所1階講堂

趣旨:
タンパク質の研究は1世紀以上にわたり多くの研究者の興味を惹いてきました。今では超巨大タンパク質や膜タンパク質、アミロイドなど多様なタンパク質の構造や状態が理解できるようになっています。一方、タンパク質溶液という見方をすると、食品や医薬品や美容など課題が山積しているのが現状です。卵白がゆで卵になる凝集や、常温でのタンパク質の保存、バイオ医薬品の濃縮、パーマをかけるときの毛髪の保護など、とても身近な現象が難題として残されています。
今回の蛋白研セミナーでは、産学連携を活発に展開している大学研究者や、産業的に解決したい課題に取り組む企業研究者に講演をしてもらいます。濃縮や凝集や安定化などのタンパク質溶液のありふれた現象が産業にどう応用できるのか、または、産業的に解決したい課題のためにタンパク質科学からどう迫れるのかを議論したいと思います。日本のアカデミアにも産学連携が期待されてきましたが、タンパク質溶液の研究はその嚆矢になりえるテーマです。

プログラム:
9月11日(月)
13:30-15:45 セッション1
「所長挨拶」  中村 春木(大阪大・蛋白研)
「はじめに」  白木 賢太郎(筑波大・数理物質系)
「pH応答性凝集/可溶化タグ」  野中 孝裕(味の素(株)・バイオファイン研究所)
「異種タンパク質の協同的な熱凝集」  岩下 和輝(筑波大・数理物質科学研究科)
「熱測定と光散乱測定によるアモルファス凝集の解析」  早乙女 友規(東京農工大・工学研究院)
「ラクダ科動物由来VHH抗体の耐熱性の改良」  赤澤 陽子(産総研・バイオメディカル研究部門)

16:00-18:00 セッション2
「タンパク質工学によるバイオマテリアルの創出:基礎研究から応用へ ~From 2D protein materials to Spider silk~」
鈴木 雄太(元UCSD(University of California, San Diego))
「カーボンナノチューブと蛋白質の相互作用」  平野 篤(産総研・ナノ材料研究部門)
「沈殿濃縮法を利用した高濃度バイオ医薬品の調製」
 栗之丸 隆章(産総研・バイオメディカル研究部門)
「界面活性剤によるタンパク質凝縮制御」  野島 達也(東工大・科学技術創成研究院)

9月12日(火)
9:30-11:30 セッション3
「計算機シミュレーションを用いた蛋白質・ペプチドの凝集性・溶解性の研究」
 黒田 裕(東京農工大・工学研究院)
「アルカリや熱付加によって変性・凝集する毛髪内タンパク質の評価」   伊藤 廉((株)ミルボン)
「機械学習を用いた可溶性配列の予測」  廣瀬 修一(長瀬産業(株)・研究開発部)
「大気圧低温プラズマの医療応用」  北野 勝久(大阪大・アトミックデザイン研究センター)

12:30-14:00 セッション4
「非特異的な相互作用を活用する—タンパク質の特徴パターンを出力できる分子群による生体試料メトリクス」  冨田 峻介(産総研・バイオメディカル研究部門)
「抗体医薬の凝集体定量と抑制方法」  内山 進(大阪大・工学研究科)
「蛋白質研究の歴史における凝集の位置づけと展望」  後藤 祐児(大阪大・蛋白研)

14:10-14:50 セッション5
「ラウンドテーブル」   後藤 祐児(大阪大・蛋白研)

参加費 : 無料 ・ 事前登録不要

世話人:白木 賢太郎(筑波大)、黒田 裕(東京農工大)、後藤 祐児(阪大)
連絡先:後藤祐児 〒565-0871 吹田市山田丘3-2 大阪大学蛋白質研究所
Tel:06-6879-8614   Fax:06-6879-8616

Email:gtyj8126(at)protein.osaka-u.ac.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの(at)を@に置き換えてください。 (Please use at sign instead of (at).)

URL:http://www.protein.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/dlm_uploads/2017/07/Program_911.pdf



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